第5回 記録と観察が新たな扉を開く

 
 
 皆様、連続後回りは、うまくできたでしょうか、うまくできたロボゼロ君がいましたら、是非ご紹介下さい。
 また逆上がりまででたロボゼロ君や、腰がバーにハマってしまったり、上がれなかったり、その後の回転がうまくいかなかったり、途中で上がれなくなったり、落下したり様々なロボゼロ君がいたのだと思います。また、回転中に、「ギヤ~」と叫んで骨折したロボゼロ君もいたのではないでしょうか。よろしかったら、皆様のいろいろな状況をお知らせ下さい。これらの様々な障害の中で、クマゲラがお手伝いできることは、追ってご紹介していきたいと考えています。

 さて、今回より、徐々に分析フェーズに入っていきます。
今回はこんなお話です。 

 コウヘイ君の動きを調整していると、毎日同じところを同じように調整していることがよく起こります。「元気な日と疲れた日」のときにも触れましたが、その日の始めた時には、前日にできた動きができなくなっています。そこで、その状態に合わせて細かな調整を行い、前日の動きができるようになると、今日こそは完成したとなります。そのころにはもう終わりの時間となって、心地よい達成感とともに眠りに付きます。

 翌日になり、前日の再現から始めると、また、うまく動かず、細かな調整を行い、できた頃おやすみの時間となるのです。

 そして、翌日になり、前回の確認を行うと・・・・・・。

 この堂々巡りから脱出して、新たな扉を開く唯一のおまじないが、記録と観察です。記憶ではありません。クマゲラの記憶は至極あいまいでして、”できたこと。” と、”てきなかったこと。” はしっかり記録されています。
 しかし、1回でもできたことは、”いつでもできること。” なかなかできないことであっても、できなかったことは、”たまにできなかった。” として記憶されてしまいます。

 
 この記憶を正確な事実を認識する記録に変える唯一の手段が、記録と観察です。
 そして、記録と観察こそが、その後のコウヘイ君の動きを考える元となり、細かな調整を行わせる原動力となります。そして、このこの細かな調整こそが、よりよい動きを作っていくのです。

 ロボゼロ君の動きを記録することで、最適なモーションを作成することがてきるようになります。
そのための記録は、いろいろな方法が考えらます。クマゲラが今回ご紹介する方法を参考に、皆さんが、よりよい方法を創り出すための参考しにて頂ければうれしいです。

 ということで、今回は、クマゲラが行ってきた記録と観察の方法をご紹介させて頂きます。

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◆データシートでの記録


 これからデータシートを作ろうと思った方は、ゼロから作るより、サンプルから作って行くほうがはるかに簡単なので、ご参考までにいくつかの様式を掲載しました。これらを参考にご自分の使いやすいデータシートを作って下さい。いづれもEXCELを用いて簡単に作れます。是非、自分なりのデータシートを作成することをお勧めします。

 このBloggerのシステムは、画像以外のExcelなどの文書ファイルのアップロードはできませんでした。そのため、データシートのサンプルファイルをアップすることができませんでした。サンプルファイルをご希望の方はお手数をお掛けしますが、メールにて件名に 「コウヘイ君のデータシート希望」 の旨記載していただき、クマゲラまで請求下さい。追って送らせて頂きます。
 
 クマゲラのメールアドレスは、当サイトの質問コーナー クマゲラホットライン開通のお知らせ にご案内させていただきました。こちらを参考にして下さい。

 クマケラが使用してきたデータシートの代表的なものをご紹介します。

[シート2]は、最初の頃に使っていたものです。この頃は、どのサーボがどこにあるのが分からなかったので、サーボの図のあるシートは、重宝していました。
 上段にある自由記述欄には、モーションの目的や、動作の考え方、理想的な姿勢などのコメントを書きます。
 中段のサーボの位置の左右の2列は、調整前と調整後を記録して使用していました。
 下段の各欄は、それぞれのサーポの変更した値を記録していました。
 これらの欄は、その目的に応じて、自由に変更して、使いやすいものを作成して下さい。


シート2 

        
 
[シート4]は、モーションデータの変更の都度、その目的、設定値、その効果などを記載します。左欄に簡単に目的を記載し、サーボの設定値を記載し、右欄にその結果を簡単に動きの略図などを記載していきます。
 
 クマゲラは、サーボの設定値は、変更データのみを記載することにしています。その変更の目的、変更個所、結果が関連して記録を残すことができます。目的、結果欄が小さいですが、簡潔に記述することでその関係が見えてきます。
 
 
 シート4
 
 
[シート3]は、シート2とシート4を1ページにプリントしたものです。変更するサーボの位置も明確に確認できるので、サーボの位置を確認しなから作業を行うときに便利です。

 
シート3
 
[シート8]は、シート3の変形です。組み合わせを変えることで、いろいろな様式がてきます。それそれ使い勝手をみながら、使いやすい様式を作ってください。
左上には、モーションエディタのモーションデータの最初と最後の値を記録しています
左下には、メモ欄として、ロボの動きを図で記録したり、時間の変化の動きを記録しています
右欄は、モーションごとの設定値を記録し、その影響の変化を把握できるようにしていました。
シート8
 
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[シート10]は、現在クマゲラが使っているものです。列の項目は、左から次のような列です。
[No]・・・・その日の連番
[VTR名]・・・・VRTファイル名の識別文字
[Good、Bad]・・・・結果の評価
[V1]・・・・投入時の電圧
[V2]・・・・負荷時(つかむの動作)の電圧
[T]・・・・モーションの動作時間(MOVEの25番目のパラメータ)
[MOVE識別名]・・・・MOVEコマンドを識別する分かりやすい名称
[R1~R11]・・・・MOVEコマンドの各サーポのパラメータ。並び順は、サーボ図の並び順
   クマゲラはサーボ図と同じ並び順となっていますが、番号順のほうがいいかも知れません。
   分かりやすい並びを採用下さい。
   鉄棒は、左右対称なので、左側のみ記録しています。実際に入力するときに、右側は符号を反対にしにて使用しています。時々反対にするのを忘れるときがあります。


 
シート10
 
 [シート10-2]は、[シート10]を2in1([シート10]を1ページに2枚打ち)したものです。実際には、このタイプを使用しています。
 

 シート10-2 
 
 [シート10-2b]は、 [シート10-2]の実際の記録です。記録は、最初の部分は、その日のテーマとなるモーションのその日の最初の状態の値を全て記録し(面倒なのでほとんど省かれていますが)、その後は、変更項目のみ記録しています。
シートの空いているところに気がついたこと、考えていること(目的)、うまくいかない理由など何でもメモして、後からの参考にしています。
 シート10-2 b

 [シート11]は、モーションの動きを結果を記録します。モーションは一瞬で通過していまいますので、VTRしたものを、コマ送りで必要な個所を記録します。

 
シート11
 
 [シート11b]は、モーション記録の例です。どうも動きがわからないときには、こんな感じで記録しています。これにより、「どこのポイント注視すればよいか?」ということが見えてきます。具体的な記録のポイントは、足先や頭など重点的に注視するところ(重点ポイント)を決め、その部分がどこにあるかを記録します。当然、その時の変更したデータ、そのVTRファイルの名称なども一緒に記録し、後からも検討できるようにしておきます。
 
 シート11b

 モーションと動きの見方やこれを使った調整の考え方などは、追って、プログラムの詳細のときに説明してみたいとと思います。(そんなに大それた内容ではありませんが・・・・)

◆VTRでの記録

◇白板を映し込む
 個々のVTRの最初には、白板を映し込みます。そのときの条件を記録し、後から参照できるようにしています。クマゲラは、順次追記の形で記述し、前回からの流れがわかるようにしています。皆さんも使い安い方法を見つけてください。



◇VTRソフト
 VTRソフトの再生ソフトは、スロー再生、停止、キャプチャーができるものをお勧めします。クマゲラは、GOMPLAYER http://www.gomplayer.jp/ を使っています。無料でダウンロードできます。

 特に不自由は感じていませんが、強いて言えば、タブレットで縦長で撮影しているので、PCでの再生の時には、映像が横映しになっていることです。そのまま縦映しになってくれるといいと思っています。
 縦映しがてきて、、スロー再生等がてきるVTR再生ソフトをご存じの方がいらっしゃいましたら、ご紹介頂ければうれしいです。


◇動画変換ソフト
動画には、いろいろなタイプがあり、当初は、再生できなくて困りました。そのとき見つけたソフトがこれです。うまく再生できなかったときに、試してみてはいかがでしょうか。
  http://super-movie-conv.softonic.jp/ です。

これらのソフトは、異常はないと思いますが、ご利用は自己責任においてお願いします。


◆ファイルでの記録
 モーションデータは、とにかく何でも保存します。クマゲラのマシンでは、モーションエディタの[外部出力]は、うまくできませんでした。外部出力を行うとRXコントローラが異常終了してしまうんです。デアゴのサポートさんにもいろいろ調べてもらったのですが、結局PCとの相性が悪い。との結論でした。皆さんはいかがたったでしょうか。そのときの最後のアドバイスが、「プログラムエディタで読み込んで保存してください」でした。目的は、保存データの再利用だったのですが・・・・・。

 しかし、このことがきっかけとなって、プログラムエディタを使った作業に移行していったのでした。、プログラムエディタでは、保存も、読込みもできました。もし、モーションムエディタの書出しが正常に動作していたら、上記のような面倒な記録なんかしなかったかも知れません。そしたら、今でもグルグルなんかできていなかったかも知れません。世の中、何が幸いするか分かりませんね。まさに、人間万事塞翁が馬ということでしょうか。

 また話がそれましたが、そういうことで、毎回データを変更する毎に、[外部書出]をクリックしています。そうすることで、VTRとデータシートとモーションファイルの相関がとれて、VTRから、その時のデータがファイルが特定でき、電圧や、その前からの変更の履歴がデータシートから分かるようになります。同じようなデータが多いので、特に、「何を変えたら、どうなったか?」の視点で残すことが大切と考えています。

データファイルだけあっても、「これなんだっけ?」、データシートだけあっても「あっそっか?」とはなりません。VRTだけあっても、「また失敗している」て終わっていてのでは、役にたちません。

最後に、データファイルは山ほどできるので、クマゲラが行っているファイル名の付け方をご紹介しておきます。
 
   NNNN_yymmdd_no.txt です。
  NNNNは、動作の名称です。  例:鉄棒_後回り_Ⅲ など
 
 
  yymmddは、日付です
  noは、その日の連番です。これは、データシートの連番と一致します。

特にこの方法にこだわる必要はありませんが、使いやすい名称を付けてください。(蛇足でした)
 

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次回からは、いよいよこの記録と観察を発展させて、コウヘイ君の動きを考えていきます。そして、細かな調整を行うポイントをご紹介していこうと考えています。

 次回からご紹介する方法は、かならずしも効くわけではないかもしれません。外れのときも有ります。でも、ピッたし当たるときもあります。こんなときは爽快です。それこそ。心地よい達成感とともに眠りに付くことができます。
 
 皆さんとともに、「こういうときには、こうしたらいいよ。」それは「こんな方法があるよ」「それには逆効果だよ」みたいな情報交換ができれは、いいな。思っています。

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